1999年の里親記事


1999/07/27 中国新聞

21人とほのぼの対面 北備地区里親会 三次で受け入れ式(広島県)
中国朝刊 北B 写有 (全289字)

 北備地区里親会(牧野繁喜会長)は二十六日から一週間、今年も東広島市西条町の広島新生学園(上栗哲男園長、六十七人)の児童二十一人を、夏休みに一時、里子とし て受け入れる。二十六日には三次合同庁舎で受け入れ式があった。
 里親との対面の後、児童代表が「いろいろ迷惑かけるかもしれませんが、よろしくお願いします」とあいさつ。各家庭ごとに記念撮影をした。
 児童は三次、庄原などの十八の里親家庭に分かれて滞在。家の手伝いや地元の子供会活動などに参加しながら家庭生活を体験する。
 最終日の八月一日には比婆郡口和町のほたるみ公園で里親子交流会を開き、やまめつかみ、スイカ割りなど楽しむ。

受け入れ式で”親子”対面など行う里親、里子たち

中国新聞社


1999/07/19 琉球新報

親に代わり愛情注ぐ/自然の中で里親交流会/恩納村
琉球新報夕刊 3頁 社会 写図表有 (全660字)

 【恩納】自然に親しみながら、里親と里子たち同士の触れ合いの機会をつくろうと、県里親会(上間啓聖会長)は十八日、恩納村の県民の森で交流会を開いた。福祉関係者を 含む約百四十人が参加。毎年開かれているもので、今年で十九回目。バーベキューをしたり、草笛を一緒に作ったりして楽しい時間を過ごした。
 家庭の事情から、養護施設に預けられた子供らを引き取って育てる里親制度。県内では今年四月末現在、里子として預けられている子供は八十四人。二百四十九世帯が里 親登録をし、うち六十一世帯が実際に子供を預かっている。九州地区では里親登録、里子の実際の数がともにトップ。全国でも上位にある。
 里子として預けられるのは、経済的な理由や、親が長期の病気で養育が難しいなど、家庭が問題を抱えている子供たち。最近は親に虐待されて預けられる子供も増えている という。
 里親には子供を預かって育てるだけの「養育里親」と、子として引き取る「養子里親」がある。養子縁組を希望する里親が多いが、両親の承諾が得られないなど、条件が合わ ずに実現しないことも。夏休みや週末だけ一時的に預かる里親制度にも積極的に取り組んでいく考え。
 上間会長は「本当は家庭の中で親から受けるべき愛情を、代わりに注いであげるのが里親の制度。傷ついた子供たちを温かく見守り、人生の土台をつくってあげる。沖縄に はユイマールの精神があり、里親を希望する人は多いが、経済的に余裕のある人でないと難しい現状がある。行政側の支援がさらに必要」と話した。

琉球新報社


1999/07/18 中国新聞

地域をつむぐ 町おこし愛(岡山県川上郡成羽町下原) 加賀博人代表(64) 型にはまらぬ活動 次々
中国朝刊 住民 写有 (全835字)

 さまざまなボランティアの「顔」を持ち、活動内容も多彩。炭焼きの普及、ケナフの植樹、ギフチョウやジャコウアゲハの人工飼育…。タイ・バンコクの貧しい街の子供たちを支援 する「クロントイの会」の代表も務める。
 本職は金光教成羽教会長だが、柔らかい発想と軽いフットワークで型にはまらない活動を目指す。「人生は楽しく、美しく、生かされたい」が信条だ。
 住民グループ「町おこし愛」の設立は一九九三年。前年に町の肝いりでつくられた「町づくり委員会」は、わずか一年で解散。代表だった加賀さんが中心になり「ハード整備に よる町おこしは行き詰まった。本当にやる気のある人間だけを集めたソフト中心の町づくりを」と結成した。
 「二十一世紀は炭の時代」と昨年から取り組む炭焼きの普及は、高梁市で親子炭焼きサミット、芳井町で竹炭サミットをそれぞれ開催、計七百人が参加した。来年九月には 成羽町で初の「全国女性炭サミット」の開催も決定している。
 フリーカメラマンの経歴は三十三年間。レンズを向ける古里の自然が次々と破壊されていく現状に、撮るだけでなく、足元の環境浄化に自ら立ち上がった。
 タイ・クロントイ地区にかかわり始めたのが七六年。それまでは「コンテスト屋」とやゆされるほど、各種の写真コンテストに応募。入賞回数が五百回以上になったころ、審査員 の写真家から「社会に役立つ写真を撮れ」と忠告され、一念発起した。
 後にマグサイサイ賞を受賞した社会運動家、プラティープ・ウンソンタムさんとの出会いが転機となった。小学校建設募金の写真展は全国で三百回を超え、現在は幼稚園に通 えない子供たちのために里親基金に力を入れている。「生涯をかけてクロントイの子供たちを撮り続けたい」と願う。
 <メモ>「クロントイの会」は、写真展「タイの子供たち」に感動した人たちが集まり1976年に結成。写真展会場で子供たちが描いた絵はがき(8枚、500円)を販売するな ど、これまでの募金総額は約1400万円になる。

「人生は楽しく、美しく、生かされたいものです」と語る加賀博人さん(町おこし愛代表)

中国新聞社


1999/07/12 朝日新聞 海外養子

双子の日本人孤児が40年ぶり対面 米で別々に養子に

 福岡県の孤児院から生後5カ月で別々の米国人家庭に養子として 引き取られた双子の日本人兄弟が、40歳になってようやく互いの 居場所を知り、米ペンシルベニア州の空港で9日夜、再会を果たし た。
 ニュージャージー州に住むスティーブン・タズミさんと、カンザ ス州のトーマス・パターソンさん。1958年暮れか翌年初め、別 々の米国人夫婦に養子として引き取られた。ものごころがつく前で 互いの記憶はなかったが、どちらも双子の兄弟がいることは知らさ れていた。
 パターソンさんを引き取ったのは、米空軍の軍曹だった男性と日 本人の妻。兄弟2人をそろって養子にしようと申請したが、タズミ さんが別の夫婦の養子になると決まった後だったため、果たせなか った。
 2人とも、生き別れた兄弟を捜し続けてきたが、孤児院は火災に 遭い、出生や引き取り先に関する記録も焼失していた。ところが、 タズミさんがあちこちに出した手紙のひとつが6月末、運良くパタ ーソンさんの養親のもとに届き、互いの消息がわかった。偶然にも 、2人ともトレーニングジムを経営していた。
 パターソンさんは「思っていた以上にそっくりで驚いた」。タズ ミさんは「会える日がほんとうに来るとは思っていなかった」と話 した。


1999/07/07 西日本新聞

【紅皿】タイの里子 佐藤喜恵子
朝刊 23頁 0版23面1段 (全442字)

 二年近く前になるが、本紙で「タイ、ミャンマーの子どもたちに進学の夢を」という里親募集の記事を読んだ。
 タイ、ミャンマーでは、貧しさゆえに向学の夢を断たれ、中学、高校に通えない子どもたちが大勢いるという。その子どもたちに一年間に一万円を援助するものだった。早速申し 込むと、里子になる女子中学生の制服姿の写真が送られてきた。それ以後は、手紙のやりとりをするのが楽しみになった。
 そして今度、奨学金伝達式の参加募集があり、タイに行った。十六人の里親と一緒に、里子に奨学金を手渡すことができた。
 タイの山岳地には、太平洋戦争で戦病死した旧日本兵の慰霊塔がいくつもある。住人の中には、自分の敷地に手厚く埋葬して「ここには、日本の兵隊さんが眠っている」と孫 に言い伝えている老人もいるという。
 そういうタイ国の人たちにお礼の気持ちを込めて始められた奨学金制度だという。<P> 「一生懸命勉強します」と子どもたちが微笑した時、胸が高鳴り、思わず里子の手を 強く握りしめた。
 (主婦・57歳=福岡県甘木市)

西日本新聞社


1999/07/06 産経新聞

【オピニオンプラザ・わたしの正論】第296回「少子化の−背景」入選
 東京朝刊 6頁 オピプラ 写有 (全2026字)

 【入選】沖西和子

 ◆自己実現優先で結婚後回し
 結婚したくない女性が、本当にいるのでしょうか。しかし、女性なら誰でも一度は、愛する人との幸せな結婚生活を夢描くのではないでしょうか。それがいつしか、結婚に魅力を感じなくなり、結婚しないことを正当化し始める考えが広がっているようです。
 結婚したくない理由を上げてみます。一つは、その人のまわりに幸せな家庭生活を送っている人が少ないということが上げられます。夫婦にいさかいがたえないのを目にすると、わざわざわずらわしい結婚をするより、一人気ままに暮らしたいと思ってしまいます。経済的、性格、子供、親戚付き合い、老いた舅姑の世話などの面倒がいっぱいで自由がきかなくなる結婚生活に見えてしまうと最悪です。
 二つ目は、男女平等の意味を取り違えた教育のあり方に問題があります。学びの場を女性にも与え、男性に劣らず勉強することは素晴らしいことです。しかし、学歴社会のなかで競争し、勉学に励み知性を身に付けると、男性を見下してしまう危険性があるようです。
 平等の教育とは、男女それぞれの特性を生かし伸ばすことにあると思います。知性を磨けば磨くほど、優美さあふれる女性になっていくべきでしょう。
 わたしは、理想の男性にふさわしい自分になる努力を惜しまない謙虚な姿勢こそ素晴らしいと思います。
 三つ目は、職業で自己発揮をしているうちに、いつの間にか歳を取ってしまっていることです。収入もあるし、一人で別に困らない、自己実現を望み、結婚を遠目に見ているのではないでしょうか。いい人が現れてもなかなか決断できない、寂しい老後を迎えるはめになってしまうのです。
 女性の生き方もいろいろあってもいいと思いますが、わたしは一人の人を愛し続ける結婚愛の素晴らしさを訴えたいのです。いろんな事を乗り越えながら築いて行く継続の愛は、二人のきずなを深めると共に多くの人の幸せにもつながることでしょう。結婚せず自分一人で生きている人の幸せより、結婚して子供が生まれる人の幸せは何倍にもなります。

 ◆女性の心が荒み優しさ失う
 少子化問題に対して、行政による経済的支援や里親制度の充実を図ること、また、医療においては不妊治療の進歩が問われています。少子化の原因に、経済的、教育、住宅、遠距離通勤、共稼ぎによる保育の充実など等、様々な問題が提起されていますが、わたしは、女性自身の心が荒み、育む優しさを失っていることも大きな原因であると思います。 子供をいとおしくかわいく感じられなくなった、めんどくさい存在にみえるところに原因があるのです。わたしは、母親としての喜び、子供を生み育てることは女性にとっての最高の幸せであると訴えたいのです。もう一つの生命をこの世に出現させるのは、女性にしかできないことです。 わたしは、第一子を産んだとき、これで「一人前の女性」になれたような気がしてうれしかったです。 そして、第二子を産んで母乳を与え「母」になれた喜びを感じました。一人の子を抱きしめることから、それぞれの子を同時に愛する事を要求されます。前に抱き後ろに背負い家事をする姿は愛深き姿です。 二人それぞれの子供の個性を大事に育てる中で、知恵がつき工夫できるようになりました。さらに、第三子を産み育ててやっと「母親」になれる気がしました。

 ◆子育てで心豊かな母になる
 子供たちの個性を見つけ伸ばしてあげるだけでなく、許すことができるようになりました。子供を愛し、生かし、許しながらの子育ては、実は、わたしを母親に育ててくれるものであったと実感しています。自分の子供を育てて、やっと親の苦労もわかりかけ感謝の気持ちも出てきました。
 本当に子供は天から与えてもらった宝だと思えます。子供を産み育てる聖なる女性の使命を、放棄するのはもったいないと思います。子供が多いと苦労が絶えないからいやだと言う人や、老後は老人ホームに入り子供の世話になりたくないと願う人もたくさんいます。
 しかし沖縄に住んでいるわたしには四人、五人の子供たちを育てているお母さん方が、心豊かな女性に思え輝いて見えます。家族のきずなを大事にする沖縄から全国に発信したい。 「結婚し家庭を持ち、子供を産み育てていくことは素敵なことです」。家庭ユートピアを築いて、そこから社会に活力を送り出し、日本を世界を素晴らしくして行く人類の母は偉大です。女性のみなさん、幸せを産み育てる喜びを味わいましょう。多くの子供に恵まれ、幸せな家庭を築かれることを願っています。
 入選して一言 「『未来を育む親の会』に入会し、子育てに悩みを持たれている母親に対して、心を癒してあげられますよう努力しています」
                 ◇
 おきにし・かずこ 昭和37年7月広島市生まれ。36歳。佛教大学社会福祉学科卒後、十年間小学校(広島・日浦小ほか)事務勤務。現在主婦。趣味は読書(教育関係)。初応募。沖縄県在住。

産業経済新聞社


1999/07/06 スポニチ芸能ニュース 養子

西田敏行「誇れる父」 辰治さん通夜に武田鉄矢ら200人弔

 俳優・西田敏行(51)の父親で、老衰のため3日に91歳で亡くなった西田辰治さんの通夜が5日夜、東京・永福の栖岸
院(せいがんいん)で営まれ、岩下志麻(58)武田鉄矢(50)ら約200人が弔問に訪れた。

 西田は5歳で実父を亡くし、実母の妹夫妻と養子縁組している。 養父の辰治さんは西田の地方公演まで足を運ぶファンでもあった。
西田は涙をこらえながら「子供のころよく自転車の荷台にのせて映画に連れて行ってくれた。そういう暮らしがなければ俳優の道には進まなかったと思う。明治の気骨を持った、誇りに思える父でした」と語った。

 祭壇には7、8年前に家族旅行で訪れた草津温泉で撮影した写真が飾られ、森繁久弥(86)や吉永小百合(54)らから供花が届けられた。棺の中には愛用のステッキや入れ歯などが納められた。戒名は治心院覚無所住居士(じしんいんかくむしょじゅうこじ)。葬儀・告別式は、きょう6日午前11時から同所で営まれる。


1999/07/06 読売新聞 里親委託

子ども虐待相談件数、過去最多の369件に 昨年度は「身体的暴力」最多=埼玉
東京朝刊 33頁 (全652字)

 昨年度に県内六児童相談所で受け付けた子ども虐待に関する相談は三百六十九件で、統計を取り始めた八九年度の九・五倍にものぼることが五日、県のまとめで分かった。この日の県議会健康福祉委員会で報告された。

 相談は、虐待を発見した近所の人の通告や、警察、病院、保育所などからの通告のほかに、保護者が自ら申告したケースもあった。

 昨年度の相談内容の内訳は、殴る、ける、裸で戸外に閉め出すなどの「身体的暴力」が最も多く二百三十六件、傷つくようなことを言ったり、無視したりの「心理的虐待」が四十六件、病気の時に医師の診察を受けさせないなどの「養育の放棄、怠慢」が四十四件、「性的虐待」が三十二件、「登校禁止」が十一件だった。

 児童相談所は、相談を受けると、子供の状態について調査や診断を行い、子供を施設に入所させたり、里親に委託したりする措置をとっている。

 この日の委員会では県議から「子供の虐待が、家庭の問題ではなく社会の問題だと認識する人が増えてきたことは好ましい。さらに相談しやすい機能にすることと、警察や医療機関などがさらに連携することが必要」という声が聞かれた。

 県中央児童相談所は、児童福祉法で、子供の虐待を発見した者は福祉事務所か児童相談所に通告しなければならないと義務づけていることや、通告者の秘密は守られることを挙げ、子育ての悩みや育児についての専用電話(048・775・4152)に、「気軽に電話してほしい」と呼びかけている。

 図=県内の児童相談所で受け付けた子ども虐待の相談件数
読売新聞社


1999/07/04 毎日新聞 家庭養護促進協会

[あなたの愛の手を]/1741 さちこちゃん(4カ月) /大阪
地方版/大阪 23頁 写図有 (全821字)

 最近、寝返りを覚えちゃった。それがうれしいから保母さんに自慢するようにお布団の上でゴロンゴロンとやるの。ミルクも大好き。1日1回の離乳食も始めたばかりなの。夜泣きはしないよ。 赤のお服とレースのくつ下でおめかしよ。どう似合うかしら。ぱっちりお目めが自慢なの。
 「よく笑うね」。みんなで感心、感心。そしたら急にご機嫌ななめ。アンパンマンタオルを見せてあやしたらもっとななめ。気まぐれは、赤ちゃんだからよ。100万ドルの笑顔はやさしいお母さんに見せてあげる。 身長67センチ、体重8・1キロ。養子縁組して下さる方を求めています。
   ◇   ◇ 
 正式に養子縁組が決まるまで、生活教育費用月額約4万8000円。里親手当2万6000円などが支給されます。医療費(実費)は公費負担。申し込みは家庭養護促進協会(天王寺区東高津町12の10、市立社会福祉センター2階。06・6762・5239)。9日(金)まで10〜17時。
 【寄贈】3万円=匿名▽2万5000円=匿名▽3000円=橋本さだ子、ボランティアコスモス▽5000円=室〓▽1万円=S・K▽1000円=匿名▽2万円=匿名(府内在住) ▽10万円=奥野隆一▽2000円=上村賢、斉藤貞三郎▽7000円=横堀哲夫▽3500円=相川照代 (敬称略)
 ◇ ◇
 今年1月掲載のみのりちゃんの里親は石川県のMさんに決まりました。
◆きずな 6カ月のA君を引き取って約1年たったBさんとその妹さんが、A君を連れて遊びに来てくれた。しっかり愛されてますます可愛くなっているA君は愛きょういっぱい。Bさんの母親ぶりもさることながら、ほほえましいのはBさんの妹さん。すっかり“親バカ”になってしまい、A君の写真を肌身離さず持ち歩き、出会う人ごとに「私のおいっ子やねん。かわいいやろ」と言いまくっているとのこと! 【家庭養護促進協会・S】
◆家庭養護促進協会のホームページアドレスは、http://home.inet‐osaka.or.jp/〜fureai/

毎日新聞社


1999/07/02(金) 北海道新聞

里子の少女に暴行*道警*自殺の里親を送検
全道朝刊朝社 P291360字

 国の「里親制度」に基づいて行政機関から里親を委託された道内在住の五十歳代の男性が、里子として預かった少女に性的関係を強要し、妊娠させていたことが、一日までの道警捜査一課などの調べで分かった。里親は里子の妊娠が発覚後、自殺したが、同課は同日までに、婦女暴行の疑いでこの里親を被疑者死亡のまま書類送検した。
 調べによると、この里親は十年以上前に行政機関から里親の認定を受け、事件当時、被害者の少女を含めて複数の里子を養育しており、この少女に対して自宅で性的関係を強要していた疑いが持たれている。 今年に入り少女が体調不良を訴え、病院で診察を受けたところ妊娠していることが分かり、関係者が道警に連絡、事件が発覚した。
 道警では、少女や関係者から事情を聴くなどして里親の婦女暴行の疑いを強めたが、里親本人は道警が事情を聴く直前に自殺。その後、最新のDNA鑑定などでこの里親と少女の妊娠との因果関係が立証されたため、同容疑での書類送検に踏み切った。
*踏みにじられた善意の制度 家庭と行政に距離
 家族のぬくもりに包まれるはずの里子に、里親が性的関係を迫った−。第三者の目が届きにくい、「家庭」という閉ざされた環境で起きてしまった今回の事件は、善意で里親を務めている圧倒的多数の里親の長年の努力を踏みにじり、新たな親子関係の橋渡し役をした行政機関にも強い衝撃を与えた。
 ある里親は「今回の事件は異例中の異例」とショックを隠さず、「里親制度の後退を招くようなことがなければよいのだが…」と多くの里親たちの気持ちを代弁した。
 里親は、公的機関の仲立ちで預かった子供の人生を左右する重要な役目。厚生省の要綱に基づき、「児童の養育についての理解と熱意および豊かな愛情」を条件に認定され、五年ごとに調査の上で再認定を受ける。
 書類送検された里親は、養育歴十年余りの“ベテラン”だった。認定窓口となった児童相談所は今回の事件について「想定外であり非常に残念。魔が差したのか、としか言いようがない」と戸惑う一方、「実績がある人だけに、里親としての資質や人格に問題があるとは思わなかった」と釈明した。
 ただ、里子を託された家庭からすると、行政機関との距離は意外に遠く、接点が薄いという声は少なくない。道内のある里親は「年月がたてば家庭や子供の状況は変わる。行政が、それに対応しているとは言えない」。別の里親経験者も「里親の大変な仕事を、行政が日常的にバックアップしてくれているという実感は薄かった」と打ち明けた。再認定の際、行政側から継続を拒否される事例はまずないという。
 この里親を担当した児童相談所では、事件を契機に家庭訪問や個別面談の回数を増やし、里親・里子との意思疎通を図る取り組みを始めた。「委託先の家庭とわれわれとの信頼関係をより強くすることで、万が一にもこうした事件が起きないよう努力する」と語る。
 道内には現在約六百二十組の里親がいるが、五年前よりも百組近く少なくなり、里親のなり手不足は深刻だ。
<用語解説>
*里親制度
 児童福祉法に基づき、家庭に恵まれない子供を里親が家族の一員として迎え入れ、養育する公的制度。児童相談所が窓口となって里親希望者を募り、経済状況などの適性を審査したうえで、都道府県知事や政令指定都市の首長が認定する。


1999/07/02 共同通信ニュース速報

里子の少女を暴行後に自殺 北海道

 北海道内の五十歳代の男性が国の里親制度に基づいて養育していた少女に性的関係を強要し妊娠させた後、自殺していたことが分かり、道警は二日までに、婦女暴行の疑いで里親の男性を被疑者死亡のまま書類送検した。
 道警などによると、今年三月に少女の体調が悪くなり、病院で検査したところ妊娠が発覚、病院から連絡を受けた道警が捜査を始めた。男性は四月に自殺したが、道警はDNA鑑定の結果などから男性の暴行を裏付け、書類送検に踏み切った。
 男性は十三年前に里親として認定を受け、事件当時は複数の里子を養育していた。


1999/06/20 毎日新聞

サッカーを観戦「プレーがすごい」−−ベトナム「子どもの家」から来日 /静岡
地方版/静岡 写図有 (全613字)

 ベトナム・フエ市にある「子どもの家」に住む子供たちがこのほど来日した。レ・バン・トアン君(15)と、グエン・ティー・クイン・ニューさん(14)の2人。19日にはトアン君が、清水市の日本平スタジアムで開かれたヤマザキナビスコカップ2回戦のエスパルス対パープルサンガ戦を観戦した。26日には静岡市で、2人と「ベトナムの子どもの家を支える会」の現地事務所長の小山道夫さんが集まり、「ベトナムの友人を囲む会」が開かれる。
 「子どもの家」は、ストリートチルドレン(路上生活児童)の保護施設。小山さんがベトナムに渡り1995年に開設した。トアン君も元ストリートチルドレンだ。エスパルスサポーター席で、懸命の応援をしたトアン君は「プレーがすごい」と興奮していた。
 2人は東京都内の里親の元で、7月20日まで過ごす。都内や静岡県内を回り、地元の中学生らとの交流会などが計画されている。トアン君は「普段はどんな生活しているのか聞きたい」と言う。日本の印象は「自転車やバイクが路上駐輪していてびっくり。ベトナムではすぐに盗まれるよ」。
 26日の囲む会は、午後2時から静岡市御幸町のサールナートホール。小山さんの現地報告や、2人への質問コーナーなど。参加費500円(高校生以下無料)。問い合わせは、「ベトナムの子どもの家を支える静岡の会」笠井さん(054・281・1706)。【黒尾透】
■写真説明 エスパルスの応援をするトアン君(中央)と支える会の人たちら

毎日新聞社


1999/06/16  読売新聞 ペットの「里親」

[泉]子犬の里親探しに協力を
大阪朝刊 30頁 (全775字)

 捨てられた子犬の里親探しをボランティアでなさっている福井市の会社員、藤永恵美子さん(45)から〈活動を支えるバザーの品を泉の読者の皆さまからお寄せいただければ〉との内容の電子メールが届きました。

 藤永さんがかかわっているのは、犬の美容室を営む同市の熊野陽子さん(44)主宰のグループ「パーマネントライフ活動」。毎月、子犬10頭以上が持ち込まれ、その里親探しのため、地元紙に広告を出しています。費用は月々10万円。バザーの収益だけが費用ねん出の頼りなのですが、今、バザー用品が不足しているそうです。

 〈衣料品や食器、本など、どんな物でも結構です。皆さまの優しさを『不幸な犬』に分けて下さい〉

 そう話される藤永さんは5年前まで、あまり犬が好きではありませんでした。それが、友人に勧められて飼い始めたところ、あっという間にとりこになったそうです。ところが、昨年10月、飼っていた雄の雑種「風太(ふうた)」を交通事故で失い、言いようのない喪失感に襲われました。

 〈そんなとき、会の発行する会報が動物病院にあったことを思い出しました。そこには熊野さんの捨て犬への優しい思いがつづられていて、私も何かお手伝いしたいと思うようになったのです〉

 捨て犬が絶えないのは、様々な理由があるにせよ、途中で飼育を投げ出す人がいるからです。でも、その一方で、捨て犬も同じ命を持った生き物として愛情をかけてくださる人もいるはずです。ご協力いただける方は、〒910・0859 福井市日之出2の2の3、アドニス福井1階 太田昭和監査法人内 藤永さん(0776・27・1815)まで。

 カットは赤羽恒男さんのクチナシです。

社会部泉係へ。郵送またはFAX06・6361・0733
電子メールはosaka2@yominet.ne.jp
読売新聞社


1999/06/12 産経新聞

【書評】「ロストボーイ」 デイヴ・ペルザー著 貴重な被虐待児自身の声
 東京朝刊 15頁 読書1 写有 (全698字)

 前作『“It(それ)”と呼ばれた子』に続く被虐待児デイヴが明かす少年時代の実話である。
 母親から筆舌に尽くし難い虐待を受けたデイヴは学校関係者からの通報で警察に保護され、里親の保護下に置かれる。やれやれと胸を撫で下ろしたいところだが、デイヴは残酷な記憶や母親への恐怖が残っており、またさまざまな事情から里親の間を転々とし、安息の日々は容易には訪れない。
 現在、日本でもわが子を虐待する若い親が急増し、社会問題化している。ただ肉親へのプライバシーの配慮などから表面にはあらわれにくく、本書のような被虐待児自身からの肉声は貴重である。
 本書で描かれる十二歳から十八歳の少年期は人格や人生観が形成される年頃でもある。デイヴの年齢は明らかにされていないが、やや時を経てから回想されたものらしく、その分力強く生きようとしている姿が強調されている。現在は息子もいて平穏に暮らしているらしいことも救いである。
 それにしても、親子の絆とは何か、父とは何か、母とは何かを考えさせられる内容ではある。デイヴに虐待を加えていたのは母親だが、阻止できぬ父親とて同罪である。我々は長く母性というものを信じ、近年は父親にも父性が備わっているはずと、父親の育児参加を求める気運が強まりつつある。
 が、本書を読む限り、母性も父性も我々の思い込み−幻想ではなかったかと思えてくる。ひょっとすると我々は今、心をもたない機械(マシン)へと限りなく近づいているのかもしれない。
 しかし、デイヴの父母に対する心情には含みがある。彼らの真実が明かされると思われる第三部を待ちたい。=田栗美奈子訳
 (青山出版社・一七〇〇円)
 作家 見延典子

産業経済新聞社


1999/06/09 西日本新聞

九州シネマ紀行<9>「次郎物語」 田園に描く親子の愛情―連載 湖人の生家も舞台に
夕刊 3頁 0版3面2段 (全1242字)

 「次郎物語」を著した下村湖人の生家は、どっしりと構えた造りである。焦げ茶色の柱としっくいの白壁が、二階建ての母屋に映える。明治初期の旧家は、佐賀県千代田町の 水路沿いにあった。
 主人公の次郎は、生まれてすぐに里子に出された。六歳で実家に帰るが、母親や兄弟との関係はしっくりしない。祖母と母に愛される兄の雑のうを水路に捨てたのがばれ、 母屋の屋根に逃げ上がる。
 父親役の加藤剛さんは、屋根に登って次郎を優しく諭す。いたずら盛りの息子の頭を「お前、よう日に焼けたなあ」とポンとたたき、次郎は笑顔を取り戻す。
 父と子の心が通い合うこのシーンは一九八六年、里親に預けられた経験を持つ湖人の生家で撮った。四回目の映画化で初めて佐賀がロケ地になった。
 「原作は湖人さんの自伝的な色の濃い小説。だからこそ、その育った環境は一番大切にすべきかな、と思ってね」
 森川時久監督(70)は、実家に帰った幼い湖人も触ったであろう生家の居間の柱にそっと手を当て、次郎のイメージを膨らませて撮影に臨んだ。
 里親の家庭で乳母の優しさに包まれた次郎は、のびのびと育った。ところが、かつての士族の格式にこだわる窮屈な本家に戻され、家族の愛情に飢えていた。
 「そんな次郎と湖人さんの姿がぴったり重なった」
 「佐賀平野は、高圧線の鉄塔や電柱が遠くからでも目立つんですよ。映画の昭和初期の雰囲気を残す場所を探すのに苦労しましてねぇ」
 千代田町役場企画課参事だった江口繁二さん(59)=現・議会事務局長=は、制作スタッフに頼まれ、ロケの候補地を車で探し回った。この場所は、仕事に出かける父親を 次郎が見送る場面などで四回も劇中に織り込まれている。
 「農村の景色は、古里の原風景だし、日本人の心のよりどころ。この映画に日本人の根っこみたいなものを込めた。それは戦後の高度成長と引き換えに失った自然であり、毅 然(きぜん)とした生き方を見せる父親と母親のあり方でもある」
 森川監督は、子供の心の成長に欠かせない親子がつむぎあげる愛情を丹念に描いた。そうすることで、この映画を単なるノスタルジーの世界にとどめることなく、時代を超え た普遍性を持たせることができたのだろう。
 (都市圏情報部・真弓一夫)

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 ●メモ
 「次郎物語」は、教育研究家の下村湖人が「家庭教育の一助に」と、1941(昭和16)年に第1部を発表。第5部まであり、第1部を映画化した。6歳までの次郎役は、地元オ ーディションで選ばれた佐賀県千代田町の現在大学3年の樋口剛嗣さん(20)。母親は高橋恵子さん、乳母は泉ピン子さんが演じた。脚本は「影武者」なども書いた同県出身 の故井手雅人さん。87年公開。ビデオはポニーキャニオンが発売。(ポスターは福岡県立図書館所蔵)

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 ●地図=略

西日本新聞社


1999/05/28 中国新聞

中国地区の里親大会開く
中国朝刊 二社 (全234字)

 里親制度の現状を研究・討議し、その意義と目的について認識を深める第四十六回中国地区里親大会が二十七日、広島市南区の広島プリンスホテルで始まった。中国地区 里親会など四団体の主催。
 初日は川口明憲岩国短期大学教授による講演「子育て こう考える」や、全国里親会の海老沢泉事務局長による中央情勢報告などがあった。講演で川口教授は、里親へ子 供を預けるケースが減少している点を指摘した。二日目の二十八日は中国地区各県の里親が子育ての体験を発表し、大会決議を採択して閉幕する。

中国新聞社


1999/05/27 毎日新聞

[ひと]上司永慶さん=東大寺第二百十五世別当(住職)、華厳宗管長
東京朝刊 5頁 社説 写図有 (全794字)

◇28日に晋山(しんざん)式を迎える東大寺第二百十五世別当(住職)、華厳(けごん)宗管長  <かみつかさ・えいけい=奈良県天理市出身。15歳で東大寺入寺。龍谷大卒。同寺執事長などを務め、4月から現職。71歳。持宝院住職>
◇東大寺があるのは人々の援助があったからこそ
 「私を育ててくれたことの恩返しのつもりで、かじとりをしたい。今の東大寺があるのは、歴史と伝統の中で多くの人々の援助があったからこそ」。一時、体調を崩していたが、奈良・華厳宗東大寺での晋山式(就任披露式)を前に記者会見で抱負を語った。
 同寺戒壇院千手堂が昨年5月、全焼した。国の補助金による防災事業が1年繰り上がり、今年3月に終了した。しかし「万全を期すために防災工事は今後も続けたい」と念を入れるのも恩返しの一つだ。
 釈迦(しゃか)誕生の地、ネパール南部のルンビニーに仏教の聖木・無憂樹(むうじゅ)がないことを知り、植林。1993年に赤く咲く花を見届けた。さらに「学校に行けない子供の手助けを」とネパールの孤児に生活費を送る里親運動にも取り組み、現地で里子との交歓会を開くなど国際交流に精力的だ。
 地元では奈良県肢体不自由児(者)協会理事長を務め、奈良少年刑務所の篤志面接委員を担当、社会復帰間近の少年たちに講話をする。「会うと純粋な子ばかり。豊かな時代なのか、辛抱が足りず、自分を振り返る時間を持つ余裕もないから間違いを犯す」。ネパールの孤児同様、そんな少年たちを放っておけないという。
 一方、大仏殿裏側の小川に生息するゲンジボタル「大仏蛍」の保護にも懸命だ。自坊で幼虫を育て、「大仏蛍を守る会」会長となり、毎年6月に鑑賞会を開く。「ホタルを育てることを通じ、自然との共生の重要さがわかる。毎日愛(め)でることが大事。3人の子育てでも親バカになることが信念でした」。飾らない親心を感じさせるトップ誕生だ。【文と写真 奈良支局・大森顕浩】

毎日新聞社


1999/05/26 朝日新聞

上司永慶さん 奈良・東大寺別当、華厳宗管長就任(ひと)【大阪】
朝刊 3頁 3総 写図有 (全807字)

 就任披露の晋山(しんざん)式を二十八日に控え、あいさつ回りに忙しい。「十五 歳からお寺で育ててもらった恩返しをしたい。東大寺は長い歴史のなか、無数の人々 の援助で今日までこられました」
 社会的な活動の幅の広さは、近年の管長としては異色だ。奈良少年刑務所で受刑中 の少年たちの相談相手になる篤志面接委員を務めて三十年。「何でこんな純粋な少年 が、と思うことがよくあります。辛抱が足りず、自分を振り返る余裕がないとも痛感 します。もっと周りが気づいてやるべきです」
 ネパールの孤児を育てる大阪の団体を支援して、友人たちにも輪を広げた。自らが 里親の女児は、十六歳になった。ネパールは釈迦の生誕地のルンビニーがあるので、 よく訪れる。「去年も行って、一緒に歌を歌ってきました」と顔をほころばせた。
 そのルンビニーの仏跡に十七年前、仏教の聖木・無憂樹(むゆうじゅ)の苗を植え た。インド南部に自生するマメ科の常緑樹。釈迦の母の摩耶夫人(まやぶにん)が無 憂樹の花に右手を差し伸べたら、わきの下から釈迦が生まれたという物語が伝わって いる。「初めて訪ねた時、一本もなくて寂しかった。四株植え、育ったのは一株です が、花祭りの四月八日には赤い花を咲かせていますよ」
 大仏殿裏の谷川に生息するゲンジボタル「大仏蛍」を守る会の会長も務め、自坊の 飼育槽でホタルの幼虫を育てている。こうした実践を積み重ねながら、「大仏建立の 精神は動植物みな栄えるです」と説く。「最近の言葉では『共生』、仏教では『縁起』 。分かりやすく言えば、相互依存ということです」
 二月堂の修二会(しゅにえ=お水取り)参籠(さんろう)は通算二十五回。「厳し い行を通して得たものを、できるだけ多くの人に参考にしてもらえれば」。自身への 厳しさが周りを温かく包み込む。
 (文・写真 沖真治)
     *
 かみつかさ・えいけい 「境内に垣根はなく、自然がいっぱい。若い人、足を運ん で」。71歳。

朝日新聞社


1999/05/24 毎日新聞

[デスクです]愛の手運動(増田)
大阪朝刊 24頁 社会 (全227字)

◆家庭に恵まれない子供たちの里親を募る「愛の手運動」を、毎日新聞とともに進めてきた社団法人・家庭養護促進協会。先日、大阪事務所につえをついた70歳過ぎのおじいさんが訪れたそうです。
 その前日、社会面に「不況の影響から協会が資金面で苦労している」という記事が載りました。おじいさんは「豊かな暮らしをしてるわけやないんやけど、記事を読んで」と、たくさんのかしわもちと寄付金を持って来てくれたのです。運動は、こうした人々に支えられて35周年を迎えました。(増田)

毎日新聞社


1999/05/23 毎日新聞

家庭養護促進協会の年次総会 「愛の手」待ってます 広報活動に力注ぐ/大阪
地方版/大阪 23頁 写図有 (全409字)

 実親に育てられない子どもために里親を探す「愛の手運動」を続けている社団法人家庭養護促進協会(今井鎮雄理事長)の年次総会が22日、天王寺区の市立社会福祉センターで開かれた。
 里親や会員ら約80人が出席。今井理事長のあいさつに続き、神戸事務所と大阪事務所の代表から、昨年度の事業結果報告や今年度の事業計画・予算案などについて報告、承認された。
 同協会大阪事務所と毎日新聞大阪本社は、里親を求めている子どもを紹介する「あなたの愛の手を」欄を35年前から地域面に週1回、掲載している。しかし、昨年度は不況などの影響で里親希望者の申し込み件数が過去最低レベルに落ち込んだほか、歳入の減少に伴い「愛の手基金」を取り崩さざるを得なくなるなど協会の財政面は厳しさを増し ている。このため、協会は今年度、インターネットのホームページや府内を中心に約10万枚のちらしを新聞の折り込み広告で配るなど新たな広報活動にも力を入れていく。 【斉藤貞三郎】

毎日新聞社


1999/05/18 読売新聞

短期里子の2歳児入院 外傷性急性硬膜下出血などで手術=埼玉
東京朝刊 24頁 (全1433字)

 ◆所沢児童相談所、里親に“任せきり”反省

 昨年十二月に、両親から県所沢児童相談所(岩崎政功所長、所沢市並木)を通じて里親に預けられていた男児(現、二歳二か月)が先月二十日、外傷性急性硬膜下出血などで防衛医大病院で緊急手術を受け、一命を取りとめていたことが、十七日までに分かった。「けがの原因をはっきりさせてほしい」との両親からの訴えを受けて所沢署は、里親らから事情を聞いているが、一方で、同児童相談所は、里親が月一回の研修に出席していなかったことを黙認していたことや、今年に入ってからは男児の現状調査も電話だけの確認にとどめていたことなど、里親に“任せっきり”にしていた実態も明らかになった。

 両親が経済上の理由などから男児を児童相談所に預けたのは、昨年十二月二十一日。当時、二歳に満たなかったため、児童相談所は乳児施設への入所を検討したが、施設が満室だったため、一か月―一年間預ける短期里親制度を活用して、同日、里親宅に預けた。

 この男児に異変があったのは、先月二十日。「左手が軽くけいれんしていて、熱っぽかった」(里親)ため、里親が男児を所沢市内の防衛医大病院に運び込んだ。診断の結果、左頭部の外傷性急性硬膜下出血と大脳半球急性脳腫脹(しゅちょう)と分かり、緊急手術。ICU(集中治療室)で二週間治療を受け、現在は小児病棟に移ったが、「右手足にまひがあり、一人では歩けない状態」(担当医)だという。

 児童相談所は、里親登録をしている家庭を対象に月一回の研修を実施しているが、男児の里親は、男児を預かってから一度も研修に出席していなかった。また、児童相談所の児童福祉司らも、十二月に二回だけ里親宅を訪問しただけで、その後は電話で男児の状況を確認していただけだった。

 児童相談所のこうした実態について、両親は「これでは、安心して子供を任せられない。子供が死にそうになった現実を県はどう考えているのか」と、けがの原因究明を求めるとともに、県の指導に疑問を投げかけている。里親は「今回のことで、里親が養育に熱心でなかったという印象を持たれるのが、つらい」と、登録している他の里親の立場をおもんぱかっている。

 県こども家庭課によると、五月一日現在、県内六か所の児童相談所での里親登録は、四百六十一組。そのうち、百五十二組が子どもを委託されているが、「こうしたトラブルは、ごくまれなケース」(同課)という。

 岩崎政功・県所沢児童相談所長の話「子どもの両親には申し訳ないと思っている。月に一回実施している里親研修の指導の徹底など、里親との関係を密にするマニュアルを見直し、二度とこのようなことがないようにしたい」

 日本社会事業大・高橋重宏教授(子ども家庭福祉論)の話「乳幼児である場合、里親への研修・指導をどの程度やっていたかが問題。今回のケースも研修・指導について検討の余地があると思う。幼児の場合、首がすわっておらず、あやすために体を揺することもよくない。どこまで(県が里親を)教育していたのか疑問だ」

 ◇短期里親制度 保護者が病気やけが、または経済上の理由などから児童を養育することが難しい場合、厚生省児童家庭局長通知により、児童を一か月から一年間、里親に委託する制度。登録制で、面接で家庭環境などをもとに里親を決定する。養育費として一か月に約六万円を里親に支給。児童相談所には〈1〉里親研修〈2〉定期的な里親宅への訪問――などが求められている。

読売新聞社


1999/05/16 毎日新聞

[いんたびゅー]盛岡ピノイの会会長・坂下シンチャさん<盛岡市>/岩手
地方版/岩手 写図有 (全1676字)

◇「独りで悩まないで」−−気軽にだれでも参加して
 《1998年12月末現在で県内には602人のフィリピン人が暮らしている。異国の生活の中で、フィリピン人が互いに悩みを打ち明けたり、経験を共有する機会は限られていた。91年3月、フィリピン人同士で交流を深めることを目的とした「盛岡ピノイの会」が創設され、催しの収益金を各種団体に寄付してきた。会員約70人を擁する会の運営や、県内のフィリピン人の現状について、会長の坂下シンチャさんに聞いた》

――「ピノイ」の意味を教えて下さい。
 「フィリピンの言葉であるタガログ語でフィリピン人の意味。これはフィリピン人ならだれにでも親しみのある言葉です」

――具体的な活動は。
 「91年3月に創設され、8月にはチャリティー・ダンスパーティーを企画した。会費を募って踊るものだったが、この売り上げの半分を雲仙・普賢岳の、もう半分をピナツボ火山の被災者の寄付に回した。91年にはフィリピン福祉見本市のハロハロフィエスタを行い、フィリピンの食事、例えば焼きビーフンに似たパンスイック・ビホンや豚肉や牛肉をいためたメヌドなどをバイキングで市民に食べてもらった。この収益金は母校のサントトマス大学の裁縫教室の足踏みミシンや裁縫道具の購入に使ってもらった。現在は毎月最終日曜 日に盛岡市の志家教会で集会を開き、親ぼくを深めるピクニックや花見などもしている。参加無料なので、フィリピン人ならだれでも参加してほしい」

――どんな人が参加していますか?
 「留学生が2人。男性は4人。あとはハウスキーパー。日本やフィリピンで働いている時に、日本人男性と知り合った例が多い」

――農村に嫁いだフィリピン女性は?
 「この会には少ない。彼女たちはきっと同じ悩みを抱えるフィリピン人と知りあえぬまま独りで悩みを抱え込んでいると思う。独りで悩まないでほしい。私自身も82年に日本に来ていたが、91年の会設立まで、知っているフィリピン人はたった2人しかいなかった」

――どんな悩みがあるのでしょうか?
 「まず言葉の問題。自分の意思を疎通できないと、夫やその家族にまで迷惑がかかる。それからホームシック。フィリピンは家族のきずなが強く、1人になることに慣れていない。あとは寒さ。フィリピンは年中温暖なので、冬の厳しさはこたえる。なまものや納豆といった食生活にも慣れるのが簡単ではない」

――10日に元大統領のコラソン・アキノさんが盛岡を訪れ、県内のフィリピン人を激励しました。その印象は?
 「感動した。大統領に就任したときは既に盛岡に住んでおり、どんな人か直接には知らなかった。盛岡を訪れる前の2、3日は緊張して眠れなかった」

――17年住んでみて盛岡に対する率直な印象は?
 「ほかの都市に住んだことがないので、よく比較できないが、まだこちらの生活に慣れないころの人々の温かさがうれしかった。ごみの捨て方を教えてくれ、子供会や運動会に誘ってくれた。仲間に対するような親しみを感じる。盛岡の人はのんびりだと言われるようだが、フィリピン人のほうがさらにのんびりしていると思う」

――今後の会のプランは?
 「盛岡ピノイの会は法人として盛岡・マニラ育英会の会員でもある。育英会は1年1万5000円出資することでフィリピンの子どもの里親になり、小学校を卒業するまで金銭的に補助をするが、既に3人の子を卒業させた。今後は催しの収益をこのような形で役立たせることも考えている」【工藤哲】
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 フィリピンのセブ島生まれ。3歳から父の仕事の都合でマニラへ移った。1978年に私立サントトマス大を卒業後、マニラの日本航空のチェーンストアの調理師をしていた葛巻町出身の未見(すえみ)さんと知り合い、79年に結婚した。82年に来日し、盛岡市民福祉バンクに勤めるかたわら、91年のピノイの会創立に発起人として参加。副会長を務めた後、会長に就任した。42歳。県内に暮らすフィリピン人に参加を呼びかけている。連絡先は電話019・652・0879。

毎日新聞社


1999/05/13 朝日新聞

血のつながらぬ親子関係の相談 大阪・ホットライン開設 【大阪】
朝刊 23頁 1家庭 写図無 (全366字)

 里親子、養親子、継親子など血のつながらない「親子」関係に関する悩みや相談を 電話で受け付けるホットラインがこのほど開設された。電話番号は06・4304・ 1085(いいおやこ)。祝日を除く月曜−金曜日の午前十一時から午後五時まで。
 財団法人全国里親会の委託を受けて、東京と大阪の二カ所で今年度から始まったモ デル事業。大阪では、大阪市天王寺区の家庭養護促進協会大阪事務所内に専用電話を 設けて対応している。「親子」関係の日常的な悩みだけでなく、里親制度や養子縁組 の手続き、養親子関係をいつ打ち明けたらいいかなどについて、気軽に電話をしてほ しいと呼びかけている。
 家庭養護促進協会は大阪と神戸に事務所があり、これまで三十五年以上にわたって 計約二千組の養子縁組を結んできた民間の児童福祉団体。同協会への問い合わせは0 6・6762・5239へ。

朝日新聞社


1999/05/09 毎日新聞 犬猫「里親」

[おしゃべり交差点]障害者と共に歩むには=松本あさみさん /栃木
地方版/栃木 写図有 (全437字)

◇盲導犬のためのチャリティーイベントを続ける=那須町高久丙 那須町高久乙の那須友愛の森で9日、「盲導犬チャリティーフリーマーケットin那須」を開く。主催する「那須自遊人クラブ」代表となり、今回が11回目。
 大阪音大卒のジャズ&ポップス歌手で、当初は音楽を楽しもうと始めたが、2回目から「盲導犬が視覚障害者を従順に支えている姿を目にし、社会に役立つことを」と今のチャリティー形式にした。
 盲導犬1頭を育てるには300万円の費用が必要とされ、フリーマーケットの出店者から参加費を徴収し、その中から寄付してきた。これまでの寄付額は280万円。昨年は那須豪雨水害の義援金に回したため、今回やっと1頭を育成する額にこぎつけられそうだという。
 今回は108店のフリーマーケットや、盲導犬と接する体験、犬の運動会、子犬や子猫の里親探し、バンド演奏などを計画している。 松本さんは「健康な人と障害者が垣根を払い、どうしたら一緒に歩んでいけるかを考える日があってもいいのでは」と話している。【柴田光二】

毎日新聞社


1999/05/05 毎日新聞 家庭養護促進協会

親探しも不況直撃 きょう「愛の手運動」35周年 問い合わせ数減少
大阪朝刊 30頁 社会 (全1061字)

 家庭に恵まれない子どもたちに里親を、と社団法人・家庭養護促進協会大阪事務所(大阪市天王寺区)などが進めている「愛の手運動」が長引く不況の直撃を受けている。運動は「こどもの日」の5日に35周年を迎えたが、昨年度の里親希望者からの問い合わせ件数は延べ301件で、この10年間で最少に。大阪府の補助金も財政難を理由に今年 度から3割カットされるなど財政的な厳しさも増している。【斉藤貞三郎】

 愛の手運動は1964年5月、同事務所と毎日新聞大阪本社社会部などが協力して始めた。大阪府、大阪市の児童相談所から依頼のあった子どもを写真や似顔絵入りで紹介する「あなたの愛の手を」欄を毎週1回、大阪面に掲載し、里親希望者を募っている。記事は奈良、京都、滋賀の各地域面にも掲載され、連載は今月2日で1732回。これまで1105人が里親に引き取られた。

 掲載された子どもへの問い合わせは、68年度に年間延べ1060件のピークに達した。その後、少子化や不妊治療、生殖医療の進歩などさまざまな原因で減少したが、バブル経済崩壊(91年)後も年間400〜500件台を保っていた。
 しかし、不況が深刻さを増した昨年夏ごろから反響が著しく減り、今年は一人の子どもに対して2〜3件というケースがほとんどで、全くないこともある。昨年度は、過去最少だった86、87年度の280件台に次ぐ301件にとどまった。実際に引き取られるのは年平均三十数件という。

 事務所にとって運営資金の問題も頭が痛い。昨年度の収入約2800万円の6割以上は寄付金や会費が頼り。里親探しを委託事業にしている大阪市からの委託金は年130万円。大阪府からは年80万円の補助金だけで、事務所は大阪市と同額を求めていたが、財政難を理由に今年度から56万円に減額された。兵庫県内で里親探しをしている同 協会神戸事務所には、兵庫県が年130万円の補助金を出している。

 大阪事務所は先月、ホームページ(http://home.inet−osaka.or.jp/〜fureai/)を開設したほか、今後、新聞に折り込み広告を入れるなどして、里親の開拓や活動への支援を呼びかけるという。

 岩崎美枝子・同協会大阪事務所長(58)は「不況による経済的理由や不安感が子どもを育てる意欲を減退させているようだ。実の親から離された子どもだからこそ自分だけを愛してくれる大人との安定した信頼関係が必要。もっと里親制度への関心を高めたいが、資金的にも限界がある」と話している。問い合わせは同協会大阪事務所(06・6762・5239)へ。

毎日新聞社


1999/04/29 毎日新聞

あなたの愛の手を」 来月5日で35周年 前文/大阪
地方版/高知 (全272字)

 毎日新聞大阪本社と社団法人・家庭養護促進協会大阪事務所が協力して、大阪、奈良、京都、滋賀の各地域面で連載している「あなたの愛の手を」が、来月5日で35周年を迎える。さまざまな事情で実親が育てられない子どもたちに里親を探すため、大阪面で始まった連載は現在1731回。これまでに新しい家庭を得た子どもは1100人を超えた。この間、子どもを持つことへの意識や生殖医療の進歩など社会環境は大きく変わったが、温かい家庭が必要な子どもたちがいる状況に変わりはない。最近、新たに親子になった家庭の様子とともに協会の活動を紹介する。 【文・写真ともに斉藤貞三郎】

毎日新聞社


1999/04/29 毎日新聞

「あなたの愛の手を」 来月5日で35周年 おざなり国の対策/大阪
地方版/高知 写図有 (全1142字)

 「かつては一人の子に平均20〜30件、最も多い子は150件もの問い合わせがあった。でも、今は女の子の0歳児でもなかなか問い合わせがなくて、同じ子どもが再掲載されるケースも多いんです」。30年以上「愛の手」キャンペーンに携わってきた家庭養護促進協会大阪事務所長の岩崎美枝子さん(58)は残念そうだ。

 「親と別れて暮らさざるを得ない子だからこそ、自分だけに目を向けてくれる大人との安定した信頼関係を取り戻してあげることが大切。それを知らずに大人になっていくことが問題なんです」。岩崎さんが語る里親の必要性は協会の設立当時から何も変わっていない。しかし、高度経済成長の過程で、掲載された子どもへの問い合わせ件数は急減し、以後年間300〜500件を増減している。

 人工妊娠中絶の合法化や少子化、不妊治療や生殖医療の進歩、子どもを取り巻く社会環境の悪化、不況……。理由はさまざまあるが、「根源には人に対する思いより、生活を豊かにする物に対する思いが強くなったことがある」と岩崎さんは感じている。「しかも、親が育てられない子は養護施設で育つことが当たり前という考えだけは変わっていない。国も高齢者福祉や少子化対策で精いっぱいで、里親の育休制度を認めるなど、根本的な対策がおざなりになっていることも里親が増えにくい原因になっている」という。

 長引く不況で活動資金の約7割を寄付金や会員の会費に頼っている協会の運営も決して楽ではない。それでも岩崎さんは「あすの社会を作る子どものために大人が頑張るしかない。子育ての終わった40〜50代の人に、ぜひ養育里親としてもうひと頑張りしてもらえないでしょうか」と呼びかけている。

◆家庭養護促進協会大阪事務所(〒543―0021 大阪市天王寺区東高津町12の10、市立社会福祉センター2階、06・6762・5239)では、兵庫県を除く全国から里親希望者を受け付けている。(兵庫県内在住者は神戸事務所=078・341・5046へ)。
 また、10代の妊娠の問題について相談にのる「APCC(思春期妊娠危機センター)」(06・6761・1115)も設置。ホームページ(http://home.inet―osaka.or.jp/〜fureai/)で、協会の詳しい活動内容などを紹介している。
 寄付は郵便振替/00930―1―35191、「社団法人家庭養護促進協会」へ。

◆里親とは 養子縁組を前提として育てる「養子里親」、実の親が引き取れるようになるまで一緒に暮らす「養育里親」、週末などに家庭生活を体験させる「週末・季節里親」がある。養子里親や養育里親を希望する人は住所地を管轄する児童相談所での登録が必要。養育里親や縁組が決まるまでの里親には生活教育費や里親手当てなどの支給がある。

毎日新聞社


1999/04/24 毎日新聞

[V情報]ボランティア (青い山脈)
東京朝刊 19頁 家庭 (全1421字)

★アジアの教育里親を募集
 「アジア教育里親の会(ESA)」が貧しくて学校に行けないインド、ネパール、バングラデシュの子どもたちに教育を受けられるよう資金を出す「教育里親」を募集している。会費は月2000円。バザーなどの活動を支えるボランティアなども募集。問い合わせは同会(〒201東京都狛江局私書箱8号。電話03・5497・2261、ファクス同2262)。

★在日外国人の子どもをサポートする大学生募集
 東京都内、またその近郊に住む在日外国人の小・中学生の家庭を週に1回程度訪問し日本語や勉強を教える活動。大学生(短大生など)で外国に関心のある人を募集中。問い合わせは「世界の子どもと手をつなぐ学生の会(CCS)」の長倉さん電話090・4598・8005。

★「かつしかの風の子クラブ」ボランティアを募集
 障害を持つ子どもたちの「みんなと遊びたい」「外へ飛び出したい」という願いをかなえようと活動している東京の「かつしかの風の子クラブ」が障害児と一緒に遊ぶボランティアを募集している。活動は毎週水曜日午後1時半〜5時半、葛飾区の水元地域周辺で。問い合わせは同クラブの小川さん電話03・3695・5243。

★音楽手話劇「天使を創る」
 28日〜5月2日、東京の世田谷パブリックシアター。耳の不自由な人と音楽や文化を共有しようと音楽手話劇の上演活動を続けている作曲家の佐藤慶子さんが中心になって開くもので、健聴者と聴覚障害者の相互の理解とコミュニケーションを目指す。演技と手話表現による演劇を軸に打楽器、シンセサイザー、歌の音楽演奏、手の動きで歌の内容 を表現するなど実験的な手法が使われる。入場料2500〜4300円。問い合わせはメディアワークス電話とファクス03・3446・2618。

★聴導犬の育て親を募集 飼い主がいない犬の中から適性を選んで聴導犬として育てる「ジャパン聴導犬協会」が生後2カ月ぐらいから訓練に入るまでの犬を育てる家族や活動のボランティアを募集。費用の実費は同協会が負担。問い合わせは同協会(長野県上伊那郡宮田村宮田3200。電話0265・85・4615、ファクス同5290)。

★青年の国際体験活動を援助
 神奈川県は18歳以上30歳以下の青年が行うボランティア、環境保全、社会福祉などの分野における半年以下の国際体験活動について、必要な経費の2分の1以内(限度額50万円)を援助する。活動場所は米国イエローストーン国立公園やスウェーデンの福祉施設、ブラジルの児童施設など。募集は県内の7人。希望者は所定の申込用紙のほか1200字以内に援助を受けることになった場合の抱負などを小論文形式にまとめ5月10日までに申し込む。6月に面接、決定する。問い合わせは県青少年室電話045・201・1111内線3468。

★細川俊之さんによるチャリティーコンサート
 26日、開場は午後6時、青森市文化会館大ホール(同市堤町)。曲目は「プレスリーメドレー」「ピアノがきらい」「さっちゃん」など予定。収益金の一部は同市に寄付されるほか高校生の奨学金などに充てられる。入場料3500円。チケットは松木屋チケットセゾンや成田本店などで発売。問い合わせは主催の国際ソロプチミスト青森電話0177・34・1746。
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ボランティア情報 〒100−8051毎日新聞社 青い山脈情報係・03−3212−5138

毎日新聞社


1999/04/22 毎日新聞

[記者ノート]特別報道部(大島秀利)/大阪
地方版/大阪 23頁 (全216字)

 5月に特別報道部に異動する。社会部では震災、子育て、里親探し、環境などを担当した。
 いま、震災体験の風化を強く感じる。特に、府内の自治体は教訓をきちんとくみと ったところは少ないと感じた。震災以前に、神戸市や兵庫県は直下型地震の発生を警告されていたのに、十分な対策をとらなかった。また繰り返すのか。
 多くの地震学者によれば、近畿などは今から地震の活動期になる。いつ来るか分からないリスクを恐れること、それこそ人間の英知だろう。 【大島秀利】

毎日新聞社


1999/04/15 毎日新聞

チャリティー歌謡フェスティバルに鮎川ゆきさんら出演 「愛の手運動」協賛/大阪
地方版/大阪 22頁 写図有 (全402字)

 家庭に恵まれない子供たちのために里親を探す「愛の手運動」に協賛した「チャリティー歌謡フェスティバル」(なにわ祭り実行委員会主催、毎日新聞大阪社会事業団、鮎川ゆき関西後援会後援)が25日午前11時から、北区梅田3の毎日新聞ビル地下1階、オーバルホールで開かれる。

 旭区出身の歌手、鮎川ゆきさん=写真=を中心にした新曲発表会、近畿一円で公募した歌自慢60人によるカラオケ発表会などがある。「新曲発表会」はデュエット歌手「バラーズ(昌樹&ゆき)」の新曲「プラットホーム」のほか鮎川さんの持ち歌や、ものまねの得意なバラーズの二人によるヒット曲紅白戦など計16曲が歌われる。

 午前11時からの新曲発表会は入場料2500円で、収益金は毎日新聞大阪社会事業団を通じ「愛の手運動」に寄付する。午後1時からのカラオケ発表会は無料。最後に全員を対象にした抽選会もある。問い合わせは鮎川ゆき関西後援会(06・6956・0001)。

毎日新聞社


1999/04/14 朝日新聞

養育児童には同情より洞察(声)
朝刊 5頁 オピ1 写図無 (全498字)

 元教員 中谷義人(東京都八王子市 68歳)
 担任の先生が代わる新年度、養育家庭(里親)の私は必ず学校へ行く。養子縁組を 目的としないで、一定の期間、実親に代わって子供を養育するという、東京都が進め ている養育家庭制度や受託している児童の心情などを説明し、新しい担任の先生に理 解と協力を、お願いするためである。
 すると、先生方は大抵、「分かりました。ほかの子供と同じように見ていきましょ う」とおっしゃる。中には、「特別視しては、子供によくありませんから」と、説明 して下さる先生もおいでだ。
 もとより、安手な同情などは要らぬ。しかし、養育児によっては養育家庭にくるま でに、捨て子、置き去り、過度の放任、身体的虐待などと、ほかの子供の味わったこ とのない、ただならぬ経験をしてきている場合もある。それが精神的外傷となって、 養育児の成長・発達をゆがめ、もつれさせているようなことはないか、学校生活の中 で洞察してほしい。
 少なくとも、ほかの子供がとる行動になじまないような場合には、その原因を追究 し、私たち養育家庭の子育てに、ぜひ力を貸していただきたい。「同情でなく、洞察 を」、養育家庭の私は、そう願っている。

朝日新聞社


1999/04/08 西日本新聞

県の里親会に33万円余寄付/若手経営者の「成龍塾」
琉球新報朝刊 24頁 社会 (全263字)

県の里親会に33万円余寄付/若手経営者の「成龍塾」
 県内の若手経営者が中心になって社会奉仕活動を行っている「成龍塾」(伊添一成塾長)は六日、県里親会に三十三万円余を贈った。寄付は同会のチャリティーゴルフの収 益金から集められた。同塾の里親会に対する寄付は初めて。
 贈呈式で、伊添塾長は「社会福祉の分野で役立ててほしい。これからも手助けしていきたい」とあいさつした。寄付を受け取った県里親会の上間啓聖会長は「県の財政難の ため同会の予算が削減されている中、こういったバックアップはありがたい。今後ともよろしくお願いします」と述べた。

琉球新報社


1999/04/06 毎日新聞

家庭養護促進協会大阪事務所がHP開設 「愛の手」活動知って/滋賀
地方版/滋賀 22頁 写図有 (全383字)

 さまざまな事情で実の親が育てられない子どものために、里親を探す活動を続けている家庭養護促進協会の大阪事務所(天王寺区)が、「より多くの人に活動を知って欲しい」と、ホームページ(HP)を開設した=写真。

 協会は1961年設立。3年後から、毎日新聞紙上で週1回、里親を求める子どもを紹介する「あなたの愛の手を」運動を続け、これまでに1000人以上の子どもに家庭ができている。 ホームページでは、協会の業務や里親制度についての説明のほか、子どもと里親が出会ってからのかっとうや喜びなどをつづったリポート「親子むすび」、協会が発行した本の紹介などをしている。また、里親になるための条件や手続き、引き取った子どもへの対応などについて相談に応じる「メール相談室」も設けている。 メールアドレスは、http://home.inet―osaka.or.jp/〜fureai/【斉藤貞三郎】

毎日新聞社


1999/03/28 毎日新聞

「愛の手」活動を知って ホームページ開設−−家庭養護促進協大阪事務所/大阪
地方版/大阪 29頁 写図有 (全383字)

 さまざまな事情で実の親が育てられない子どものために、里親を探す活動を続けている家庭養護促進協会の大阪事務所(天王寺区)が、「より多くの人に活動を知って欲しい」と、ホームページ(HP)を開設した=写真。
 協会は1961年設立。3年後から、毎日新聞紙上で週1回、里親を求める子どもを紹介する「あなたの愛の手を」運動を続け、これまでに1000人以上の子どもに家庭ができている。
 ホームページでは、協会の業務や里親制度についての説明のほか、子どもと里親が出会ってからのかっとうや喜びなどをつづったリポート「親子むすび」、協会が発行した本の紹介などをしている。また、里親になるための条件や手続き、引き取った子どもへの対応などについて相談に応じる「メール相談室」も設けている。
 メールアドレスは、http://home.inet―osaka.or.jp/〜fureai/ 【斉藤貞三郎】

毎日新聞社


1999/03/28 毎日新聞

[あなたの愛の手を]/1727 ゆうきちゃん(1歳8カ月) /大阪
地方版/大阪 29頁 写図有 (全700字)

 おでこを見て笑わないでね。かわいくお写真撮ってもらおうと思っていたのにお友だちと遊んでいたらひっかかれちゃった。カメラにも緊張しちゃって涙目になるし、もう散々……。
 でも、お友だちは大好き。世話もよく焼いてあげるの。泣いている子がいたら、行って「よしよし」ってしてあげて、ぐずっている子には、目の前におもちゃを差し出してご機嫌取り。保母さんは「まるで大人がやるようなことをするんだから」って言うけど、よくお手伝いするから「賢い子だ」って評判なのよ。
 ごはんの好き嫌いもないから、体もおっきいよ。お友だちがよく残しちゃう野菜だって、みんな食べちゃう。遊びはおままごとが好き。私はごはんを「あーん」て食べさせる役。やっぱり、世話焼くのが好きみたい。
 身長84・7センチ、体重12・4キロ。養子縁組してくださる方を求めています。
   ◇   ◇
 正式に養子縁組が決まるまで、生活教育費月額約4万8000円、里親手当2万4000円などが支給されます。医療費(実費)は公費負担。申し込みは家庭養護促進協会(天王寺区東高津町12の10、市立社会福祉センター2階。06・6762・5239)。4月2日(金)まで10〜17時。

【寄贈】2万円=匿名▽2万円=匿名
◆きずな
 先日、2人目の養子を育てている親子が顔を見せに来てくれた。
 6カ月の妹は家族のだれよりも3歳のT君がいる時が機嫌がいい。T君はそんな妹が可愛かったり、うっとうしかったり。ちょっかいを出しては、しかられてばかり。ついに「何で僕ばっかりしかられるんや」の一言が飛び出した。なりたくってお兄ちゃんしてるんじゃないんだから、あんまりしからないであげてね。【家庭養護促進協会・T】

毎日新聞社


1999/03/14 毎日新聞

[あなたの愛の手を]/1725 みっちゃん(3歳2カ月)/大阪
地方版/大阪 29頁 写図有 (全728字)

 はじめは緊張していたけど、大好きなミッキーマウスをかぶったら、とたんにごきげん。これ、私がお絵かきして作ったのよ。上手でしょ。はさみは器用に使えるし、パズルやブロックもうまくできるんだから。
 最近は何でも自分でやりたくて。人に靴や下着をはかされると、いったん脱いで自分ではき直すの。おトイレもおまるじゃなくて、おっきいトイレを使っているのよ。 好き嫌いはないけど、おにぎりとバナナが好き。白ごはんは、おかずがなくってもおかわりしちゃう。保母さんが「おちゃめな子」なんて言うから、自分のおしりをたたいて「おしりペンペン」まで見せてあげちゃった。調子に乗りすぎたかな。
 身長91センチ、体重13キロ。養子縁組してくださる方を求めています。
   ◇   ◇
 正式に養子縁組が決まるまで、生活教育費月額約4万8000円、里親手当2万4000円などが支給されます。医療費(実費)は公費負担。申し込みは家庭養護促進協会(天 王寺区東高津町12の10、市立社会福祉センター2階。06・6762・5239)。19日(金)まで10〜17時。

【寄贈】3万円=匿名▽1万円=K・U▽3000円=砂子田裕貴、牧衣津子、藤井キミ子、竹井恵美子▽10万円=(株)点天▽2万円=匿名▽1000円=竹島永福、武本明夫 (敬称略)

◆きずな
 先日、産まれたばかりの女児を引き取って育てている養父から、生後9カ月ころの細かい育児日記とともに、養父が作られた詩が送られてきた。はいはいのこと。伝い歩きのこと。入浴で大きな声を出すこと。日常の何気ない子どもの変化とそれに接する父の喜びがつぶさに記してある。養母を支えながら、仕事外で接する短いかかわりの中での父ならではの観察がとても新鮮で楽しかった。 【家庭養護促進協会・I】

毎日新聞社


1999/03/14 毎日新聞

里親運動支援へ神戸市で映画会 22日、家庭養護促進協会/神戸
地方版/兵庫 29頁 (全256字)

 「里親運動をすすめるためのチャリティ映画会」(家庭養護促進協会主催)が22日、神戸市中央区楠町4の神戸文化ホールで開かれる。さまざまな事情で親と一緒に生活できない子供に里親を探す「愛の手運動」の活動資金を得るための催し。
 少年が空飛ぶリュウの子を助け出すアニメ映画「エルマーの冒険」を午後2時半から上映。タレントの耕笑園てつやさんの司会でクイズやゲームを楽しむ「お楽しみタイム」もある。
 入場券は前売り900円(大人と子供1人分)、当日1000円(同)。問い合わせは同協会(078・341・5046)へ。【藤田宰司】

毎日新聞社


1999/03/11 朝日新聞

「養子」育てたい人のために 姫路で講座 【大阪】
朝刊 23頁 1家庭 写図無 (全272字)

 養子を育てたい人のための講座が20、27日、兵庫県姫路市で開かれる。社団法 人「家庭養護促進協会」の主催。同協会は1960年から、さまざまな事情で親と暮 らせない子どもたちに里親・養親を探してきた。これまでに1900組を「縁組」し てきた。
 講座は、養子縁組に関心を持つ人に、制度や手続きを説明、ビデオや養親の体験談 を通して現状を伝える。両日とも午後2時−4時半、姫路市総社本町の姫路市民会館。 定員は夫婦15組。どちらか1人でも参加できる。受講料は夫婦5000円、1人な ら3000円。要予約。
 問い合わせは同協会(電話078−341−5046)へ。

朝日新聞社


1999/03/10 毎日新聞

養子育てませんか 20日、27日に姫路市で講座−−家庭養護促進協会/神戸
地方版/兵庫 25頁 (全260字)

 さまざまな事情で親と一緒に生活できない子供たちを養子として迎える里親運動に取り組む家庭養護促進協会(神戸市中央区)は20、27の両日、「養子を育てたい人のための講座」を姫路市総社本町の姫路市民会館で開く。
 講座は、ビデオ「ドキュメンタリー親子むすび」の上映や養親の子育て体験談を通じて養親子関係について考え、養子縁組の制度や手続きに理解を深めてもらう2日間のプログラム。両日とも午後2時〜4時半。
 受講料は夫婦参加で5000円、1人の場合は3000円。定員15組。申し込みは同協会(078・341・5046)へ。【藤田宰司】

毎日新聞社


1999/02/26 読売新聞 一日里親

旅立ちを祝う会 北九州市一日里親の会=福岡
西部朝刊 36頁 写有 (全153字)

 北九州市一日里親の会は25日、同市内の養護施設を巣立つ生徒を激励する「旅立ちを祝う会」=写真=を、小倉北区の東京第一ホテル小倉で開いた。中学、高校の卒業
生33人と関係者約40人が出席。市役所職員らがマジックショーで立食パーティーを盛り上げた。卒業生には、読売光と愛の事業団から、記念の腕時計も贈られた。

読売新聞社


1999/02/25 琉球新報

信頼大事に関係築く/浦添市で「里親研修会」/「完全受容も肝心」
琉球新報夕刊 5頁 生活・健康 写図表有 (全1290字)

信頼大事に関係築く/浦添市で「里親研修会」/「完全受容も肝心」
 県内の里親が互いの情報を交換し合う、里親研修会(主催・中央児童相談所、コザ児童相談所、県里親会)が20日、浦添市の厚生年金沖縄うらそえ荘で開かれた。里子と の親子関係の築き方についての当事者の体験談や、家庭養護促進協会(大阪市)事務局長の岩崎美枝子さんの講演も行われ、集まった50人の里親が熱心に耳を傾けた。
 沖縄県は、他府県と比較しても里親活動が活発で、里子の引き受けや里親の登録の人口比率が高いと言われている。
 里親の体験談で、自分が引き取った幼い里子の緊張感が解けていくまでの過程を話した具志堅多恵子さん(石垣市)は「みな違う親、成育歴を持っている里子は、完全受容 してあげることが肝心。そして同時に、悩んでいる里親たちを地域ぐるみで支えてあげるのも重要だ」と話した。
 ベテランの里親である島田ツカさん(読谷村)は、「特に思春期になると里子の問題行動が起きてくることがあるが、絶対にあきらめないことが大切。大変なこともあったけれ ど、里子からたくさん教えられたこともあった」と話し、新規里親を激励した。
 「親子になること」のテーマで話した岩崎さんは同協会で、一九六二年以来、毎日新聞大阪本社や児童相談所などと協力して、愛の手運動を新聞紙上で展開し、里親を探し てきた実績を持つ。
 岩崎さんによると、里親は大きく分けて、短期養育と長期養育の二種類に分けられる。特に養子縁組の問題などもかかわってくる長期養育里親では、里子を引き取ってから まず「見せかけの時期」があるという。見かけはお行儀よく振る舞っているが、ただ不安で様子うかがいをしているだけで信頼関係はまったくできていない。次に親が一番してほ しくないことをする「試しの時期」がある。「この期間をどう乗り切るかが問題になってくる」とし、過食や偏食、親への口ごたえ、甘えなどを挙げた。
 子どもが限度を超えた物の食べ方をすることで「親の反応やどれだけ悪い私を引き受けてくれるのかを見ている」として、「絶対怒らずに、とことん最後まで付き合うことが大 切。プリンしか食べたくないとごねたら、目の前に五十個くらい並べてやりなさい」「子どもがやっている悪いことを逆に親がまねると、ミラー現象といって子どもは恥ずかしくなっ てやめるもの」と話した。
 「里子は小学生でも、おむつをしてほしい、おんぶをしてほしいなどと赤ちゃん返りをすることがある。これは、赤ちゃん時代に体験できなかったことを取り戻す意味で、言うこと を聞いてあげるのが必要」とも話した。
 「他人を信頼する底辺には、子供時代から築いてきた百パーセント依存できる親との信頼関係がある。里子は信頼できる親子関係が得られなかった子どもがほとんどで、愛 着障害とも呼ばれている。引き取ってから最低半年間は、何を言ってもしからないで、命にかかわること以外は全部聞いてあげてほしい。まったくしかられない一定期間の時期 を経ることで、子どもは必ず落ち着きを取り戻していく」と強調し、親子の関係を築くための心構えについて、笑いを交えながら話した。

琉球新報社


1999/02/22 毎日新聞

「養子講座」開催 来月20、27日−−姫路市民会館/播磨・姫路
地方版/兵庫 19頁 (全249字)

 親と一緒に生活できない子供たちを養子として迎えるための手続きや心構えについて学ぶ「養子を育てたい人のための講座」が3月20日と27日、姫路市民会館で開かれる。
 里親探しに取り組む「家庭養護促進協会」の主催。ビデオ「ドキュメンター親子むすび」の上映や養親の子育て体験談を通じて養親子関係について考え、養子縁組の制度や手続きに理解を深めてもらう2日間のプログラム。両日とも午後2時〜4時半。
 受講料は夫婦参加で5000円、1人の場合は3000円。定員15組。申し込みは同協会(078・341・5046)へ。

毎日新聞社


1999/02/14 毎日新聞

[あなたの愛の手を]/1721 さちお君(2歳)/大阪
地方版/大阪 27頁 写図有 (全774字)

 このキリッとした顔を見てよ。カメラで緊張しているけど、なかなか男前でしょ。えっ、「ガキ大将になりそう」?
 違うよ、大きくなったら大好きなアンパンマンになるんだ。だから、いつもアンパンマングッズは離さないよ。
 元気に走り回って遊んでいるから、すぐにおなかが減っちゃう。そんな時はクロワッサンやロールパンを2〜3個ペロリ。時々、わがまま言って泣くこともあるけど、保母さんは「我慢もお兄ちゃんになるための一つのステップよ」だって。2歳になったばかりだし、よーし、ガンバルゾ。
 身長約84センチ、体重約12キロ。養子縁組をしてくださる方を求めています。
   ◇   ◇
 正式に養子縁組が決まるまで、生活教育費月額約4万8000円、里親手当2万4000円などが支給されます。医療費(実費)は公費負担。申し込みは家庭養護促進協会(天王寺区東高津町12の10、市立社会福祉センター2階。06・6762・5239)。19日(金)まで10〜17時。

【寄贈】3万円=匿名▽12万3000円=大阪曽根崎ライオンズクラブチャリティーオークション▽1万円=柴満枝、匿名▽3000円=飯田須栄子、三〓達行、岡部晴子、岸本重子▽5000円=室崎、中西稔彦、竹内徹▽2万円=匿名▽3500円=新子伸博▽4000円=陶山実登志(敬称略)
   ◇   ◇
 昨年7月掲載のかおるちゃんは、京都市のIさん宅に引き取られました。

◆きずな
 昨年10月に3歳のY君を引き取った里親さんから、よく電話がかかってきます。養子を迎えることの大変さはあらかじめ聞いていたとはいえ、実際の子育ては苦難の連続です。中でも15キロの体が連日体当たりで向かってくる「ウルトラマンごっこ遊び」は相当の迫力。40歳代の里親さんには、しんどい以外の何ものでもありません。「子育ては体力」ということをつくづく思い知らされるのです。 【家庭養護促進協会・S】

毎日新聞社


1999/02/07 毎日新聞

[あなたの愛の手を]/1720 あきこちゃん(1歳10カ月)/大阪
地方版/大阪 23頁 写図有 (全737字)

 しっかり食べて、ぐっすり眠る。それが私の元気のもとかな。いつも自分でスプーンを持ってパクパク。「いただきます」や「ごちそうさま」もちゃんと言えるよ。保母さんを困らせたり絶対しないんだから。
 おままごとが大好きで、お友だちにも「どうぞ」って、お料理を持っていってあげる。でも、おもちゃの取りあいになったら負けないよ。お外で走ったり、すべり台で遊ぶのもいいなあ。食べ物はお肉やコロッケが好き。保母さんは「堂々としていて、将来は大物かも」だって。うーん、それって喜んでいいのかな……。
 身長約85センチ、体重約13キロ。養子縁組をしてくださる方を求めています。
   ◇   ◇
 正式に養子縁組が決まるまで、生活教育費月額約4万8000円、里親手当2万4000円などが支給されます。医療費(実費)は公費負担。申し込みは家庭養護促進協会(天王寺区東高津町12の10、市立社会福祉センター2階。06・6762・5239)。12日(金)まで10〜17時。

【寄贈】1万1000円=辻裕子▽3万円=K・U▽1万円=矢花、祐成直子、西村そら、籾井梅子▽5000円=佐々木久嘉▽8000円=匿名▽1000円=武本明夫▽3000円=菅野信二▽2000円=吉田尚子、匿名(敬称略)
   ◇   ◇
 昨年11月掲載のたえこちゃんは、茨城県のSさん宅に引き取られました。

◆きずな
 乳児院にいるときのT君は、ほとんど声を出さなくて、おとなしすぎるのがちょっと気になる子どもでした。里親さんに引き取られて間もなく、大きな声が出るようになりました。半年過ぎた今は、おしゃべりも少しずつ上手になり、いかにもやんちゃそうなたくましい男の子になっています。里親さんの愛情をいっぱいに受けて、T君本来の姿になったのでしょ う。 【大阪市中央児童相談所・F】

毎日新聞社


1999/01/31 毎日新聞

[あなたの愛の手を]/1719 きょうこちゃん(5歳)/大阪
地方版/大阪 25頁 (全795字)

 「こんにちは!」。だれが来ても大きな声でニッコリとごあいさつ。「明るくて人なつこい」って、みんなほめてくれるの。時々、気に入らないことがあると座り込んじゃうけど、大丈夫。すぐにケロッとなっちゃうから、心配しないでね。
 幼稚園にはお友だちがたくさんいるよ。みんな「きょうこちゃん、きょうこちゃん」って集まってきて、一緒におだんご作りやおままごとしたりして遊ぶの。帰ったらすぐに、保母さんに今日あったことをた〜くさんお話しするから、着替えが遅くなっちゃうくらい。
 食べ物の好き嫌いはないけど、やっぱりケーキが一番ね。女の子だもん。風邪もあまりひかないし、かけっこも意外に早いのよ。運動会で一等になったんだから。お片付けもきちっとできるし、お着替えの洋服もちゃんとたたむの。えらいでしょう。ちょっと自慢しすぎたかな。エヘッ。
 月1回程度、ボランティアとして週末を一緒に過ごしてくださる方を求めています。
   ◇   ◇
 申し込みは家庭養護促進協会(天王寺区東高津町12の10、市立社会福祉センター2階。06・6762・5239)。2月5日(金)まで10〜17時。

【寄贈】1万円=木戸出隆・宏美・健・亮太、S・K、末政直美、匿名、赤崎正佳、堀田晃子▽1000円=竹島永福▽3000円=中西麗子、牧衣津子、岡部年男、匿名▽2000円=石崎恵美▽10万円=(株)点天▽2万円=小寺全世▽1100円=田村▽5000円=津村タカ子(敬称略)

◆きずな
 子どもたちを預かっている週末里親に高齢者介護や里親自身の病気、受験生を抱えるといった状況が起こり、里親を続けていくことが難しくなるという例がいくつかあります。手紙や電話のやりとりはありますが、「子どもを泊まらせてあげたいのに」と里親は心を痛めておられるようです。築かれた関係をどんなふうに維持していくか模索しています。週末里親にご関心のある方は協会まで。 【家庭養護促進協会・N】

毎日新聞社


1999/01/26 読売新聞 棄児

福岡市で誕生日のメモ残し置き去り 母を待ち8か月 福岡乳児院
西部夕刊 7頁 写有 (全1202字)

 ◆自責の手紙・贈り物届くけれど

 《どんなに苦労しても「あの子と一緒にいられるなら」と思わない時はありません》。昨年初夏、福岡市内のデパートに置き去りにされ、福岡乳児院(福岡市博多区、田中弘文院長)に保護されている男の赤ちゃんの元に毎月、ぬいぐるみや衣類などのプレゼントと一緒に、手紙が届いている。母親かららしく、赤ちゃんへの思いや自責の気持ちが、切々とつづられている。乳児院は「初めてのケース」と戸惑っているが、母親が名乗り出ない限り、里親に託される。

 赤ちゃんは昨年六月二日、デパートの女性トイレにある小児用ベッドに置かれていた。体重は二千七百十六グラムで、身長四十六・六センチ。へその緒は付いたままで、産着の上にはピンクのバスタオルがかけられていた。誕生日を記したと見られる「5月27日AM9時37分」のメモがあった。

 最初の便りが届いたのは六月十八日。ワープロで打たれていた。

 デパートで置き去りにした時の様子とともに、《経済的にも世話を十分にしてあげられません。邪魔だと思って置き去りにしたのではないことを伝えて。自分の不甲斐なさ、冷たさ。自分もこれからどう生きていけばよいのか分からない状態です》とあった。

 その後も、ほぼ毎月、郵便小包で手紙とプレゼントが届き、手紙はこれまでに計六通。いずれも福岡市内から出されていたが、住所は毎回、違っていた。

 《三か月という目安で服を選んでます。何度、電話をかけようと思ったことか……》(九月十六日)

 《元気にミルクを飲んでいますか。あの子に何も言う権利はありませんが、幸せになることをいつも願っています》(十二月十日)。この時の小包には、靴、手袋、ガラガラ、ぬいぐるみが一緒に入っていた。クリスマスプレゼント、それとも新年用だろうか。

 赤ちゃんは順調に育っており、いま体重は七千百グラム、身長六十五・五センチ。ハイハイが上手で、前歯も生え始めた。周囲に笑顔を振りまき、職員に甘えて、ほおをすり寄せてくることも。

 乳児院では「ここでの短期入所や緊急保育、母子寮入所など、親子関係を断ち切らずに母親の自立を促す支援はあります。深い事情があるのは察します。が、今からでも遅くありません」と、差出人に訴えている。

 お母さん――。勇気を出して。赤ちゃんはあなたを待っていますよ。

 ◆里親
 民法や児童福祉法の規定で、悪意を持って子供を置き去りにするなど養育を放棄した場合、父母の同意がなくても、児童相談所の仲介で特別養子縁組が成立する。この赤ちゃんも2歳までに父母が名乗りでない限り、里親に引き取られる可能性が強い。厚生省児童家庭局によると、全国で「棄児」と呼ばれる子供たちは97年度、244人。

 写真=乳児院で元気に育っている赤ちゃん(福岡市博多区西春町の福岡乳児院で)=大野博昭撮影
 写真=届いたぬいぐるみや小包

読売新聞社


1999/01/26 読売新聞 里親制度の解説

<解>里親
西部夕刊 7頁 (全155字)

 民法や児童福祉法の規定で、悪意を持って子供を置き去りにするなど養育を放棄した場合、父母の同意がなくても、児童相談所の仲介で特別養子縁組が成立する。この赤ちゃんも2歳までに父母が名乗りでない限り、里親に引き取られる可能性が強い。厚生省児童家庭局によると、全国で「棄児」と呼ばれる子供たちは97年度、244人。

読売新聞社


1999/01/25 毎日新聞

養子の育て方楽しく学ぼう 家庭養護促進協会が連続講座−−西宮市/阪神
地方版/兵庫 21頁 (全410字)

 家庭養護促進協会(今井鎮雄理事長)が2月6日から2日間、西宮市染殿町の市総合福祉センターで、連続講座「養子を育てたい人のための講座」を開く。同協会は1964年の設立以来、1900人の子どもたちに里親、養親を探してきた児童福祉団体で、今回も里親開拓活動の一環。
 養子を迎えるための制度や条件から、どう親子関係を築いていくかまで、幅広く考える。初日はビデオ「ドキュメンタリー親子むすび」の上映と懇談、2日目は養親の子育て体験談と養子制度の説明などを予定している。
 ケースワーカーの古田和香子さんは「養子をもらう時に暗いイメージを抱く人もいます。そういうこともふっしょくできるよい機会なので、関心のある方をぜひ参加を」と呼び掛けている。
 開催時間は、両日とも午後2時から2時間半。定員は約30人。参加費は夫婦1組で5000円、1人なら3000円。参加は予約が必要で、問い合わせとともに同協会(078・341・5046)へ。【戸田栄】

毎日新聞社


1999/01/24 毎日新聞

[あなたの愛の手を]/1718 みのりちゃん(2歳4カ月)/大阪
地方版/大阪 23頁 写図有 (全779字)

 遊んだおもちゃは、ちゃんと箱に戻すし、着替えや食事も自分でやらないと気が済まないの。しっかり者よ。「手先もとても器用」って保母さんは感心しきり。パジャマのボタン掛けも得意なんだから。
 好き嫌いはあまりないけど、この前、クリスマス会で初めてチョコレートを食べちゃった。おいしかったな。サンタさんの形をしてた。いい子にしてたらまた食べられるかなぁ。人見知りだって、お正月くらいからしなくなったよ。
 絵本を見るのも大好き。将来は文学少女かも。「でも時々、本が逆さまだったりするんですよ」(保母)。だめっ!ばらしちゃ。
 身長83センチ、体重11キロ。養子縁組をして下さる方を求めています。
   ◇   ◇
 正式に養子縁組が決まるまで、生活教育費月額約4万8000円、里親手当2万4000円などが支給されます。医療費(実費)は公費負担。申し込みは家庭養護促進協会(天王寺区東高津町12の10、市立社会福祉センター2階。06・6762・5239)。29日(金)まで10〜17時。

【寄贈】1万5000円=竿山豊子▽3000円=岸本重子、塚本重次▽10万円=匿名▽15万円=大矢典参、高橋政弘▽20万円=毎日新聞大阪社会事業団▽1万円=両見義行、石堂芳信、矢満田篤二、斎藤愛子▽4000円=三井有子▽6000円=(株)向井珍味堂社員一同▽30万円=匿名▽2万円=匿名▽5000円=今里寛子、宮尾俊 孝 (敬称略)

◆きずな
 年賀状には、里親さんの家で過ごす子どもたちの写真がいっぱいありました。里親さんのところへ行くときは、まだ赤ちゃんだった子が、表情豊かな幼児さんになり、また、あれだけ泣いたり、かたくなだった子が、家族の一員として、すっかり打ち解けている様子をみて、ほほえましく思いました。
 世紀末、21世紀へ夢をつなぐ架け橋となるように、成長してほしいと願うばかりです。【大阪市中央児童相談所・I】

毎日新聞社


1999/01/23 朝日新聞

養子申請却下され、姉妹と失跡4カ月 訴え実って決定白紙に 英
朝刊 8頁 2外 写図無 (全644字)

 【ロンドン22日=沢村亙】養子にしようとして福祉当局に申請を却下された幼い 姉妹を連れて昨年九月から「失跡」していた英国人夫婦が、四カ月ぶりに姿を現した。 逃避行中、英メディアに送った手紙で「二人は私たちをパパ、ママと呼んで愛してく れている。養子を認めて」と、切々と訴えた内容が英国民の同情を集めていた。
 姿を隠していたのは英国東部に住む郵便局員の夫(三五)と妻(三四)。結婚後十 年間、子供に恵まれず、福祉事務所に養子縁組を申請し、仮の里親として姉(五つ) と妹(三つ)を引き取った。だが、半年後、同事務所は「親としての技量に欠ける」 として申請を却下し、ほかの里親に姉妹を引き渡すよう求めたため、まもなく夫婦は 二人を連れて行方をくらました。
 警察の捜索にもかかわらず十分な手がかりがなく、死亡説も出ていたが、十六日、 潜伏先のアイルランドから空路、英国に戻り、姉妹も無事に保護された。
 夫婦はその直前、英国の新聞、テレビに手紙を送り、福祉事務所の職員から「しつ けが厳しすぎる」などと警告され、この職員一人の判断が却下の決め手になったこと や、政府や国会議員に手紙で支援を求めたが返事がなかったことなどを訴えた。
 里親が養子を虐待したり、十分な教育を怠ったりした前例から、里親審査は厳しい のが一般的だが、今回の事件で「審査手続きがあまりに人間味を欠き、硬直的」との 批判が出ていた。
 福祉事務所は却下決定をいったん白紙に戻して裁判所の判断にゆだねることに方針 を変更。夫婦に姿を現すよう呼びかけていた。

朝日新聞社


1999/01/19 読売新聞 里親

茨木で子育て講演会 23日、里親グループ「愛&夢」が開く/大阪
大阪朝刊 29頁 (全300字)

 高槻、茨木、吹田市などの里親グループ「愛&夢(あとむ)」(志賀治会長、四十人)は、二十三日午後二時から、茨木市駅前四の市立福祉文化会館四〇二号室で、子育て講演会「子どもの心と体の発達」を開く。入場無料。保育室も用意する。

 講師は和泉市立病院の米沢澄子・小児科部長。子育てで重要な子供の心や体の変化を、医学的見地と経験を踏まえて説明する。社会から孤立した家庭における子育てが「置き去り」「コインロッカーベビー」など様々な問題の温床になっていることから、それらに歯止めをかけるのが狙い。

 志賀会長は「子供は、愛情豊かな温かい家庭で育つことが最も大切。里親制度の普及も求められている」と話している。
読売新聞社


1999/01/11 毎日新聞

「愛の手」運動が新春はつわらい大会/神戸
地方版/兵庫 21頁 写図有 (全248字)

 社団法人家庭養護促進協会による里親探しの「愛の手」運動で縁組した親子が集う「新春はつわらい大会」=写真=が10日、神戸市中央区の市婦人会館などで開かれた。
 同協会の新年恒例行事で、神戸市内や阪神、淡路、丹波、但馬地区の里親と子供127人が出席。午前中は神戸ハーバーランドを巡るオリエンテーリング、午後は屋内でゲームを楽しんだ。おもちゃやお菓子の入った福袋の当たる障害物競走では、子供たちは「がんばれ、がんばれ」と声援を受けながら、楽しそうに網をくぐり、段ボールの障害物を飛び越えていた。【藤田宰司】

毎日新聞社


1999/01/10 毎日新聞

今宮戎で福あめ売り 里親探し運動をPR−−家庭養護促進協会/大阪
地方版/大阪 21頁 写図有 (全299字)

 「十日戎(えびす)」の参拝客でにぎわう今宮戎神社(浪速区)の参道で9日、家庭に恵まれない子どもたちの里親探し運動を続けている家庭養護促進協会(天王寺区)の福あめ売りが始まった。売り上げは活動資金に充てられる。
 宵戎(よいえびす)のこの日は、厳しい冷え込みにもかかわらず、まずまずの人出で、協会職員や里親らのボランティアは、深夜まで200〜500円のあめ売りに声をからした。
 店は地下鉄恵比寿町駅から神社に向かう参道途中の右側と、神社北側出口のすぐ左わきの2カ所にあり、「あなたの愛の手を」の横断幕やのぼりでPRしている。開店は午前8時半。10日は深夜まで、11日は売り切れるまで店を開く。 【斉藤貞三郎】

毎日新聞社


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